学校長メッセージ

和歌山県立串本古座高等学校
校長 榎本 貴英

 串本古座高等学校は、本州最南端の町である串本町に位置します。この地は南に太平洋、北に紀伊山地を臨み、ラムサール条約に登録された世界最北の大サンゴ群生域、南紀熊野ジオパークを構成する様々な地質遺産、世界遺産として登録された紀伊山地の霊場と参詣道などを有し、古くからアメリカやトルコとのつながりもあります。
 本校は平成29年度から、これらの豊かな教育資源を活用した「地域まるごとキャンパス構想」を立ち上げ、地域の良さを再認識させるとともに地域活性化に貢献する人材の育成を目指して、様々な取り組みを行っています。あわせてグローカル・クリエイティブ・アドバンストの3つのコースを新たに設置するとともに、和歌山県内の公立高校(本校)として初の全国募集を開始しました。
 特にグローカルコースでは、普通科高校ではあまりない、スキューバダイビングの技能を学ぶ「マリンスポーツ」、地域の特色や魅力を自然科学分野から学ぶ「海洋環境」、地域での長期就労体験を行う「串本デュアル」など、様々な特色ある授業を行っています。
 平成30年度にはトルコ大使館から、トルコ大使のご講演にお越しいただくとともに、校内プレゼン大会での優勝者がトルコ大使館に招待され、大使の前で発表する機会を頂きました。昨年度からは、介護職員初任者研修を授業で受講できるようになりました。このこともあって、昨年度の卒業生の何名かは地域の介護施設に就職しました。
 現在串本町では日本初の民間ロケット発射場の建設工事が進められていて、来年度に完成する予定です。本校でも今後は、これまでの「地域」に係る学びだけでなく、「宇宙」に係る学びの場も作っていきたいと考えています。
 地域貢献を目的としたCGS(地域包括地域の介護施設と連携し支援部)も、平成29年度から立ち上がりました。ここでも、「まぐろ」や「ゆず」などの地域産品を使った商品の開発、JRとコラボレーションした防災への取り組み、ウィキペディアのローカル版であるLocalWikiを活用した情報発信、ジオへの取組など、様々な特色ある活動を行っています。
 本校の魅力化に関する取り組みには、地元である串本町・古座川町をはじめ、様々な方面よりご支援を頂いています。全国の中学生諸君の中で、新しい自分、新しい未来を創りたいと思っている人は、ぜひ、本州最南端への「半島留学」にチャレンジしてください。留学は海外だけではありません。